季節は春
我が家は6人家族、それに犬の「ララ」との共同生活である。ララは4才になるメスの黒のラブラドール、多少肥満ぎみ?の犬である。我が家はもともと動物好きだったのか僕が生まれる前から彼らとの生活が当たり前だったようである。犬に関しては雑種、シェパード、ダックスフント、それに世界最強と言われているロッドワイラーなどいろいろな種類の犬がずいぶん家族の心を和らげてきてくれた。犬にも性格、性質があるのは当然なのだが屋内で飼う場合と屋外で飼う場合の違いは歴然と出てくる。屋内の犬は人の言葉を覚えるのが早いし、家長?食事担当など家族の序列を理解する能力もしかりでもある。でも小型犬ならともかく大型犬はやはり部屋のなかで飼う事は大変である。ましてや娘は子供の頃アトピーがひどく、動物好きであるのだが色々な症状が出てきてしまい、屋内での飼育は断念せざるをえなかった。それでも1才近くまでは台所やらオバアチャンの部屋に同居し、あちらこちらをかじりながらどうしようもなくオテンバでヤンチャでワンパクし放題であった。その後、やもうえず彼女の庭での生活が始まり、今は落ちつきが出てきた気がする。でも余り落ちつきすぎても困るもの、エサを残した器にカラスが来ようがハト、スズメが集まっても知らん顔、人以外には興味を示す事はない。何しろこの種の犬は人と遊ぶ事が大好きで水の中へでも平気で飛び込んでしまう。(もっともラブラドール地方で漁師と船に乗り網から逃げ出した魚を海へ飛び込み追いかける様な血統だから仕方がないのだが…)従って今、家の池は水なしのただのくぼ地であるし、その他、庭園灯のコードはかじって切断し、植木などもずいぶん被害を受けてしまった。本当ならしっかり調教し盲導犬、介護犬とは言わないものの賢い方が良いのだが僕は、本人、いや本犬の意思を尊重してきたのでいまさら手遅れ状態である。でも何かとても可愛い。エサを与える時も「待て」、「よし」の判断はできるし、ドアが開いていても決して屋内に入ろうとはしない。それでいい!でも人恋しいさを我慢する事はできないようだ。特に僕の甥っ子のカズキが来宅した時などはドアに飛びついてうれしさを表す。「遊ぼう!」と言わんばかりである。あえてそれを無視して知らん顔を決め込む。しばるくすると疲れてしまったのか前足を上下に組んでうたた寝の状態、まるっきり子供と同じ行動をする。僕はぼんやりとそんな情景を見ているのが好きだ。窓越しに観察を続けると次には横になり昼寝、そして数分後には究極のあお向けの状態(大の字状態)で本格的な睡眠に入る。そこには動物本来の防衛本能はみられなかった。「季節は春」、人も犬も太陽の日差しが心地よく感じる季節である。