ガレージ

 我が家のガレージは車が2台駐車できるスペースがある。2年前までは勿論、車専用で2台が駐車してあった。それが息子の自動二輪免許取得とバイク購入によりそのガレージの雰囲気が 少しずつ変化していった。まずは僕の車が向かえのガソリンスタンドの青空駐車場へ移動して、僕と息子の2台のバイクがその場所を占拠した。僕は車からバイクへと趣味が移った。そして自然に二人の間にモーターサイクルを如何に楽しむか?と言う気持が生まれた。

今月、僕の愛車は1台増えて2台になった。既存の排気量1520cc、車重量340kgのHONDA USAのアメリカン「ワルキューレ」と、そして新しく購入した1150cc, 238kgの「BMW 1150 R」、共に大型バイクである。息子の愛車は中型のYAMAHA 「ドラッグスター400」と、ハイスクール卒業論文用に購入した中古のYAMAHAのR400である。まるで違うタイプを乗りこなしたいと思う僕と、バイクとはどうなっているのか構造的に知りたい息子の遊び心が生まれた。従って現在そこには1台の車とバイク4台が収められている。

さて、ガレージの雰囲気が変化しつつあると言うのは、ご覧の写真の3台のバイクが美しい姿を披露しているのとは逆に
この中古バイクが原因のようだ。 この通り…、愛車?と呼んでいいものか、徐々に解体が進められている。

息子はこの見るも無残な姿のバイクのエンジンを整備し、電気配線を整え、サビを落しペイントして組み立て直し、その過程を写真とレポートで提出する事をハイスクール最後の大きなテーマとしている。又、車検を取れるまでもっていくつもりらしい。工業関係の高校生ならともかく、たった1冊のマニュアルブックだけで改良するとは、文科系の僕には気の遠くなるプロジェクトに着手している様にみえる。誰に似たのであろうか?それはともかく、大学ではエンジニアリングを専攻したいと思っている彼にはごく当たり前の様子である。部品や工具が散乱して、まとまりがなく、落ち着かない状態、でもそんな変化をみせるガレージに最近は懐かしさを感じる。それはきっと子供の頃にオモチャを散らかし遊び、いつもそばで自分の好きな物を見ていられる、触る事が出来る、それがとても嬉しかったあの頃とまったく同じである。

季節は冬、いくらガレージ内と言っても日が落ちてからの屋外は相当に寒い。でも、暇があれば2台のバイクを交互に乗りこなしたいとそこに足を運ぶ僕と、毎日少しずつ作業を進める為に足を運ぶ息子、目的は別だがテーストは一緒、きっと、暖かくなる頃にはもっと様変わりしているだろうこの「ガレージ」、僕達親子にとってずっと趣味を共有できる、暖かな場所であって欲しいと願う。