暑中見舞い

 このところ猛暑が続いている。特に僕の故郷の名古屋は異常とも思えるほどである。エアコンのきいた部屋に居ればずっと動きたくない。従って仕事以外の外出は極力さけて家でゴロゴロとしていた。こうなるとバイクどころか車の運転さえ面倒に感じる。先日、妻と息子を空港まで見送りの為に久々に車に乗った。母と息子の二人旅、悦ちゃんにとっては初めての経験で空港に到着するまでの車中は嬉しさで表情は緩みっぱなし、息子は少々照れている様子であった。昨年は僕と息子の二人で北海道ツーリングへ出かけた。悦ちゃんは留守番、あれから1年が過ぎ今年は僕が留守番役である。果してどんな旅になる事やら…。二人を送り届けて自宅へと車を走らせていた。途中、信号待ちで横に止まったバイク便の青年が目にはいった。ヘルメットから流れ落ちてくる汗とシャツに滲んでいる汗の量に驚いた。彼の姿勢から想像すると相当にバテている様子だった。外気温は33〜4℃と表示してあった。でもバイク上では道路からの照り返しとエンジンから吹き上げる熱がある。まさに灼熱の地獄、仕事とはいえ大変ご苦労な事である。最近バイクで仕事をしている若者が増えている気がする。仕事に遊びにバイクに触れていたいんだろうか?体の一部になっているのかもしれない。彼らは本当にバイクが好きなんだ。勿論、好きじゃなきゃやってられないとも思う。休日はツーリングかな?いいなぁ〜若いって、暑いって言ってられないなぁ〜、そろそろ俺も乗らなきゃね!と、呟きながら走り去る後ろ姿を追っていた。そして数十分後に帰宅し車をガレージに入れようと扉を開けた。そこには僕の帰宅を待っていたかのように5台のバイクが並んでいた。息子がいる時にはそれ程でもなかったが、改めて見るとこれから先のバイクのメンテナンスに不安がわいてきた。まだ外は暑い。でも先程のバイク便の青年の姿を思い出すと暑さが何だ!本当にバイクを楽しむ為には暑さや寒さを気にしていては趣味とは言えない。よっしゃ!今から家の近所を走るぞ!5台すべて乗ってやろう!と決めた。幸いにも家の前の道は道幅も広く、時間によっては交通量も少ない。チョイ走りや練習するには最適である。しかし、違法駐車が多くパトカーが頻繁に巡回している。(無免許ではないので別に気にする事もないのだが) まずは娘のバイクと息子の2台のバイクを走らせてみた。車校で経験したスラローム、急制動、超スローで走る一本橋を思い出し、遊びながら行ったり来たりしていた。3台のバイクを乗り終えて次は僕のバイクだ。汗が溢れてベタベタのシャツ、ヘルメットの中の熱気でボ〜ッとしてくる。やはり夏のライデイングは辛い。今日はこれくらいにして止めにしよう!無理は禁物!そして、車庫へ戻る為にUターンをした。その時、違法駐車の車の列に混じって警官二人を乗せたパトカーが居ることにきずいた。いつから止めていたのだろうか?ひょとしてずっと僕の行動と走りを見ていたのだろうか?そう思ったら、何と言ったらいいのか…妙な雰囲気であった。多分、パトカーの警官は「このオジサン、何してるんだ?こんなに暑いのに何台ものバイクを乗り換えて行ったり来たり、頭、大丈夫か?」なんて言われているんだろうなぁ〜。そのうちに警官の間で、あの地区には変なオジサンライダーが出没すると言う噂が出てくるかもしれない。何故か恥ずかしさを感じた。でも、しょうがないよね。こんな事になった原因の張本人は僕なんだから…。猛暑はまだまだ続きそう。そして僕の真夏のライデイングも続きそう。オジサンライダー熱中症で転倒?なんて記事にならないように、これからも体力強化と健康管理に気を付けよう。てな訳で、今回は自分に宛てた「暑中見舞い」とする事にした。