行っちゃいました

 まず最初に、先回の「バックステージ・マツチャン」での内容の訂正。(以下)

 「以前から鳥取県と福岡県に「松崎駅」がある。と、亡父から聞かされていた。思えば、亡父はわざわざ福岡県小郡市松崎に出かけ、「松崎」と印刷された入場券をお土産として持ちかえったり…」
の部分である。これ、まるっきりの勘違いだった。亡父の思い出の入場券には平成11年10月7日のJR西日本のスタンプが記されていた。従って、鳥取県の松崎駅の物であった。でも、僕はきっと福岡県小郡市の入場券もあると探してみたが見当たらなかった。それもその筈、小郡市の甘木鉄道松崎駅は無人駅、入場券の発売はなくて列車に乗ってから切符を購入するという単線の鉄道だった。「だった!」、と言う事は…、そう、今月も「松崎探し」のツーリングへ「行っちゃいました」の巻である。

甘木鉄道・松崎駅前
松崎駅1

 9年前から毎年、5月の中旬の一週間は必ず僕達のスケジュールはOFFである。理由は、EH株式会社という企業の社歌を担当させて頂いているご縁で、宮崎県串間市で行なわれる創業祭に毎年御招待を受けるからだ。串間はオーナーの故郷、旅立ちの地を大切に思う人柄、いつしか僕達家族はまるでファミリーの様なお付き合いをさせて頂いている。この創業祭は前々夜祭から始まる。丸3日間、関係者以外にも町の人達を招待して盛大に行なわれる。以前にも御紹介したが、ゲストには芸能関係者も多く、作曲家の遠藤実先生、作詞家のいではく先生、北島三郎先輩、他、多くの著名人も参加する。今年は細川たかし、俳優の三ツ木清隆の両氏と僕達チェリッシュがステージを務めた。本格的な舞台と、夏祭りのように敷地中央には高さが5〜6mの「やぐら」が組まれて両側には露天と、毎年感じる事だが驚くほど本格的な雰囲気を設営してしまう。山間をながれる「大平川」に「杉木立」の静寂と、都会の雑踏が共存してしまう瞬間でもあった。そんな仕事、いやパーテイ―の御招待前後を僕は、趣味のツーリングにあててしまった。最初はソロツーリングを予定していたのだが、ステージ・ショーという事もあって、舞台監督の伊藤君も同行することになった。彼はベテランのライダー(いささか、方向音痴の感はあるが…)、心強いパートナーが同伴してくれた。エツチャンは飛行機、僕達は大阪からのフェリーを利用しての移動というちょっと変った旅でもあった。

 今回のプラン、大阪南港からフェリーで別府観光港へ到着し、福岡県小郡市の松崎町から阿蘇熊本、鹿児島から開聞岳、枕崎から宮崎串間(本来の目的地)、延岡から高千穂を経由して阿蘇やまなみハイウエー、そして、湯布院、別府、大阪に戻る8泊9日の行程だった。その中でも特に印象的だったスポットと言えば、阿蘇の壮大な自然と高千穂の日本の悠久の歴史を肌で感じる事のできた二ヶ所だった。勿論、訪れたすべての場所が印象的であったのは言うまでもないが、仕事で訪れる印象とはまったく別な感覚でもあった。当然の如く、晴天ばかりの日は続かず、九州到着の早朝は小雨で串間入りする日は台風の様な大雨に遭遇したりもした。実際、エツチャンの搭乗した航空機も着陸を見合わせて上空を旋回、50分程の遅れだったし、細川たかし夫妻搭乗の東京からの便は福岡空港へ着陸するという状況だった。人は絶対に自然には勝てないものである。如何に上手く付合うか、そんな道を選択した方が良いと常に思っている。

 この所のチェリッシュ・ホームページはバイク話ばかりとお叱り?を受ける。エツチャンは子供達の夏休みの帰国で嬉しさのあまりか原稿を書く事をすっかり忘れている。こんなホームページでいいのかな〜?でも、それも良し!いいよね?何でも有りが最高。
 ツーリングには不思議な魅力がある。本当に面白い。また挑戦したくなる。そんな訳で今月も、「行っちゃいました」。僕のこの「熱」は一体どこまで続くのやら…?

阿蘇
阿蘇松崎

開聞岳
開聞岳

高千穂・天岩戸神社
高千穂・天岩戸神社

エピローグ
 5月14日の夜に息子が夏休みで帰国した。4月に戻った娘が空港まで出迎えたそうだ。当日、僕達二人はすでに宮崎到着2日目だった。EHのオーナーとの会食の席上で子供達の話題になった。幼い頃から子供達も可愛がって頂いている。そこで、翌日の午前の飛行機で来るように子供達も御招待を受ける事になった。久し振りに再会した息子と家族4人、初めてのステージデビュー?その場所が未だ自然が残る宮崎串間、何とも言えぬ感情が湧いていた。

宮崎・ステージ
宮崎・松崎ファミリー