それぞれの休日
エツチャンがNYでの休暇中に僕は一年振りのツーリング!高知の桂浜にある「坂本竜馬像」を目指す事にした。名古屋から淡路島、淡路島から高知、高知から倉敷、そして再び淡路島への4泊5日の旅は時間と晴天に恵まれて最高なツーリング日和となった。「のんびりとゆったり」が目的の旅、従って今まで以上に時間に余裕を持たせた。初日の淡路島ではバスタブに浸かりながら太陽がゆっくり海へ沈んでゆく様子を見ていたし、倉敷では夕暮れ前の美観地区を散策する事もできた。
明石海峡公園
倉敷・美観地区
そして高知では、何と!白バイと一緒に走る珍事?も体験した。高知道の高知ICで降りた僕はバイクに装備してあるカーナビに道案内を任せて桂浜を目指していたが、どこで道を間違えてしまったのか?GPS受信不能だったのか?カーナビはリルートを繰り返していた。いつもならバイク用の地図は「パニアケース」に入れているが敢えて今回は持参していなかった。どこかに停車してカーナビの回復をと思っていたその時、信号待ちしていた僕の後ろに停車した高知県警の白バイに気づいた。僕は後ろを振り返り桂浜までの道順を尋ねる事にした。濃いサングラス、一見、強面(こわおもて)の隊員、きっと冷ややかな態度で接してくると思いきや?親切!道路脇の空き地へ誘導して地図を取り出して丁寧に道順を示してくれていた。見た目とは大違い?他府県からやって来た中年ライダーの僕に一生懸命説明してくれた。僕は何度も復唱して理解したつもりの筈だったのだが、彼にしてみればどうも「的」を得ていなかったようで、「途中まではパトロール中の道です。少し遠回りですけど・・・、案内します。ついて来てください」と言ってくれた。(いや、僕がついて行きたかったかもしれないが)そんな訳で一緒に走る事となった。白バイと一緒!こんなチャンスはマズないだろう?いささか緊張気味の僕だった。後から見る白バイ隊員、何気ない走り方をしているようだがさすがに上手い!前後左右、360度に神経が届いていると感心するばかりだった。十数分程度一緒に走行した後、「次を曲がってください、お気をつけて!」と言って白バイは走り去っていった。2台のバイクの位置関係では死角に入って確認出来るかどうか分からなかったが僕は左手を挙げて感謝の気持ちを表した。すると、彼も手を挙げサインを送り返してくれていた。ん〜、何とも言えない気分・・・、同じライダー同士、何か共通するものが感じられた。しかし、残念ながら親切に道案内してくれた甲斐もなく僕は別れた後も何度も道に迷ってしまった。
桂浜は初めて、これと言った下調べもしないままに出かけたので周囲の状況がどうなっているのかもまったく想像が出来なかった。ただ、あの有名なポーズの「竜馬像」だけが頭に浮かんでいた。広い駐車場にバイクを止め、土産物の店が軒を連ねる道を抜けて階段を登っていくと後姿の「坂本竜馬像」がみえてきた。太平洋を見下ろす小高い丘、眼下には桂浜、風が強かったせいかより一層に力強さを感じた。
坂本竜馬像
幕末のヒーローからお叱りを受けるかもしれないが、「竜馬像」が見たいと思いついたのは「こじつけ」だった。何処でもよかったのかもしれない。ただ、忙しく過ぎていった今年、一生懸命働いた自分へのご褒美に「ちょっと贅沢」な気分を味わいたかったから。充分に満喫する事ができた。束の間のお休みを夫婦が違った「形」で過ごす・・・、仕事も家庭もいつも一緒の僕たちには年に一度は、いや、二〜三度は「そんな時」があっても良いのかも、如何だろうか?
追記: さすがに白バイ隊員との記念撮影を申し出る事はできなかった。(残念!)