折り返し地点

 6月の民音コンサートは2日の那須塩原市黒磯文化会館からのスタート合計12ステージ、最終公演は福島県原町市市民文化会館だった。いつもながら会場に来て頂いた会員の皆さん、ファンの皆さん、それに民音関係者の皆さん、すべての方々への感謝の気持ちで一杯だ。

 それにしても、今年の6月は忙しかった!コンサートは12ステージだが移動日やその他の一般営業(業界言葉)を合わせると、30日間の内の何と24〜5日を旅していたことになる。「疲れた〜」と、僕たちやステージ・スタッフが口にするのは当然かもしれないが、母親や事務所のスタッフまでもが「体、大丈夫?」とか、「大変でしたね!」と、いたわりの言葉をかけてくれる。「中年の体に鞭打って」の言葉がまさにピッタリの表現だろう。僕たちの仕事、いや、働くという事は気力と体力が充実していなければ乗り越える事の出来ない物かもしれない。僕にとっての「気力」は、きっとファンの皆さんの応援や支援によって生まれているだろう。だが、「体力」はどうだろうか?お酒の量を少しばかり減らす事?そんな事しかできない。(笑)

 さて、今回のツアーも素敵な想い出が一杯だった。まずは6月3日の足利市でのステージ、エツチャンがステージ上から「今日が私たちの28回目の結婚記念日です」と、お話しすると会場の皆さんが一斉に暖かな拍手で祝ってくれた。ツアー中でなかったら、きっと何事もなかったかのように過ぎていたかもしれない。そんな気持ちがあったからか、観客の皆さんの拍手と声援に涙腺が緩んでいくのを感じていた。又、ステージ外ではスタッフと民音担当者の方からの素敵なケーキやプレゼントも頂いた。結婚生活に歌手生活、本当に今まで頑張ってきたんだ!コンサート中に「その日」を迎えることが出来た幸せを実感していた。

結婚記念日ケーキ

 その2、それはファンサイトでお馴染みの岩手支部長のBUNBUNさんとの出会いだった。
ファン・サイトBBSへの書き込みを拝見して、何となくお人柄は想像していたものの何せ初対面、盛岡市内のホテルのロビーでの出会いは多少の緊張感があった。結局、その時にお話しした内容は何だったのだろうか?思い出せない。数週間前に東京にある僕たちの事務所へ突然に訪ねられた事は聞いていた。コンサート後に「冷麺会」を設営していて、ぜひ参加して欲しいとの連絡も知らされていた。十数人が僕たちを待っていてくれる?どんな雰囲気になるのだろう?などなど、当初はそのお誘いにどの様に対処していいものか困惑していた。が、ぜひお逢いしたかった事!それに4日間連続したコンサート後の気分転換、又、翌日が移動日だった理由から参加させていただく事になった。

 BUNBUNさんとは・・・、僕たちと同世代のホテルマン、傍らボランティア活動もされている。その日に集まった人たちも皆さん同じ活動をされていた。正直、何がなんだか分からないまま(初対面の人達ばかり)10数名の「冷麺会」が始まった。しかし、不思議な事に
数十分後にはごく自然な雰囲気となり、幼な馴染みとの再会を楽しむように徐々に盛り上がっていった。(BUNBUNさんはお酒が飲めない様子で残念?)「宴もたけなわ」、突然に表彰状の贈呈式が催される事となった。表彰状?何に対しての表彰状なのだろうか?BUNBUNさんは淡々と文面を読み上げ、彼の友人たちは一斉に拍手!周り(店のお客様)にしてみれば一見、不思議な光景だったに違いないだろう。でも、僕にはその日集まった皆さん達の「チェリッシュへの思い出」が感じられた。そんな皆さんの応援があってこそ、今まで歌い続けられてきたのだろう。こちらこそ「感謝状」を贈呈しなければならないのではなかろうか?

感謝状

岩手支部

 

 翌日、盛岡を出発して会津へと移動した。今回は夏休み帰国の息子が運転手として同行した。時々は僕たちの仕事場に来た事もあるが、現地のアルバイトを加えると30名ほどのスタッフが動き回っている舞台裏、息子の役割は運転に限られていた。でも、彼の性格?休憩時間にはバンド・音響・照明などのスタッフと打ち解けて話している姿がみられた。皆に可愛がられている様子に親としては一安心と言ったところだった。又、ステージ本番前には必ず、「頑張ってね!」と言って音響のチーフ・オペレーターの横の席に毎回移動してステージを観ていた。そんな息子の姿を一番喜んでいたのは母親!エツチャンに間違いはない。ホテルの部屋でも車の中でも楽屋でも・・・、エツチャンが超リラックスしていたと思う。親の仕事や仕事場を子供たちに見せる事の良し悪しは判断できないが、子供本人が目指している目標の仕事と正反対の親の仕事を見るのもたまには良い事だろう。

 「チェリッシュ・コンサート・2004」は「2005」へと続いた。コンサートは順調に経過している。当然、ステージへの余裕が生まれてもいい頃だろう。でも、僕にはそんな気分にはなかなかなれない。少しづつではあるが変化を求めているし、より良い形を見つけ出そうとしている。それが僕のこだわり!今月で民音コンサートツアーが一つの区切りを迎える。「その時」!僕が伝えたかった今回のステージ、「あの日・あの時」の完結編をご覧いただけると思う。

 追伸:僕たちが大変お世話になっている人が「人生!折り返し点からが、本当に面白いんですよ!」と言うメールを送ってくれた。絶対にその通りだろう。もしも、又、僕の構成・演出によるステージを与えられたら・・・、きっと、「これから」をテーマに考えるだろう。
「チェリッシュ・コンサート・2006」、新たな目標に向けて一層の努力をしていきたいと思っている。